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お金をかけなくても簡単に競合分析が出来る5つのポイント

お金をかけなくても簡単に競合分析が出来る5つのポイント

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新しいことをやる時は必ずと言っていいほど求められる競合分析。ただ市場の厳しい競争の現実を前にして意見がまとまらないことが多々あります。

 

この記事ではマーケティングのスキルの一つである競合分析について、なるべくお金をかけずにすぐに現場で使える有効なテクニックを紹介します。

 

こんな方にオススメ

  1. 競合分析の効果が分からない
  2. 調査にお金や時間をかけれない
  3. すぐに使えるノウハウが知りたい

 

この記事を書いた人

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市場環境の把握

市場環境は以下の3つの要素からなります。これらを組み合わせて市場環境を分析することになります。

  1. 市場規模
  2. ニーズ
  3. 成長性

 

例えばタピオカ屋などの路面店の新規開店を検討しているとします。その際は全国の店舗数・店舗あたり売上(市場規模)、購入意向(ニーズ)、ここ数年の市場規模の推移(成長性)などを調べていくのが基本的な調査項目です。

 

とはいえ、こういったデータは入手するのにノウハウが必要だったり、有料なケースがほとんどです。

 

また、市場環境の調査はフレームワークばかりで具体例がなく、実際の商品開発にどう役立てていいのか分からないという問題もあります。

 

これはあるあるな現場の課題だと思います。

 

そんな場合に市場環境の調査ですぐに役立つ具体例が以下の4つです。

  1. 法律や規制の変更
  2. 市場規模、年成長率の比較
  3. 〇〇に興味がある人が8割以上
  4. ヒット商品の事例

 

どれもネット検索で出てくる可能性の高い情報です。これらを使って市場環境を分析できます。

 

ここで有効なテクニックは比較することです。現行の商品カテゴリーと新商品のカテゴリーで比較をしてみてください。比較はデータ自体の入手難度が低くても意味のあるデータになりやすいのでオススメです。

 

具体例を示します。例えばタピオカ屋などの路面店の例で上記のテクニックを使った競合分析の結果を見せたとすると以下のような反応になるでしょう。

 

何?タピオカの成長率はマイナス10%で一方、フルーツジュースバーの成長率がプラス10%だと?それにフルーツを積極的に取りたい人は80%だって?政府も国産フルーツには補助金を出しているようだ。国産フルーツを使ったケーキがヒット商品になったというのは聞いたことがあるな。これはタピオカ屋じゃなくてフルーツジュースバーだな!

 

切り口を明確にすることで市場環境についての関係者の認識がまとまりやすくなります。

 

競合商品の特定

市場環境の分析で参入分野について関係者の認識がまとまったら、次は具体的な競合商品の特定です。商品の基本情報を列挙した表を作成します。

 

商品名、メーカー、価格、容量、原材料、パッケージの特徴など事実ベースでまとめましょう。

 

ここでは簡単に手に入る基本データで事実のみを記載することがポイントです。十分有用なデータですし、手間も少なくて済みます。

 

無駄な考察を入れてしまうとまとまりがなくなりますのでなるべくシンプルにしましょう。

 

直接競合と間接競合

さらに一工夫加えます。上記で説明した基本情報の表は直接競合と間接競合の2種類に分けてそれぞれ作成してみてください。

 

最初に直接競合となる商品を列挙します。たとえばフルーツジュースバーだったら同じフルーツジュースバーの系列店あるいは商品が直接競合となります。

 

間接競合とは満たすニーズが同様でカテゴリーが違うものです。この説明だけではなんのことかと思うでしょう。

 

例えばお父さんがショッピングモールで子どもをなだめるためにフルーツジュースを買うケースであれば競合はたい焼き屋かもしれません。お父さんにとっては子どもがショッピングモールで暇を持て余さずに喜んで欲しい訳です。

 

つまり、同じニーズを満たすものでも商品のカテゴリーは異なる可能性があります。

 

関係者が増える度に競合商品の認識には必ずズレが生じてきます。しかしながら直接競合と間接競合をそれぞれ別々に列挙することで認識のズレが修正出来るケースがほとんどです。

 

特に間接競合は差別化を目指して商品開発を行う場合、非常に有効な概念です。間接競合を意識して商品開発を行う理論は数多くありますが、この方法は競合調査でシンプルにポイントを押さえることが出来るとてもコスパがいい方法です。

 

フルーツジュースではなく、たい焼き屋を目指すというのは普通だったら賛否両論となり議論がまとまりませんが、間接競合という切り口で考えると初めて見た人にも狙いが分かります。

 

競合の分類 

ここまでは大丈夫でしょうか?もう少し手を加えていきます。

 

競合商品の特定の際に作成した表の商品について、それぞれリーダー、チャレンジャー、ニッチ、フォロワーの5種類のどれにあたるか分類をしていきます。これによって自分の商品の立ち位置が明確になります。

 

商品開発をする場合は自社の主力商品からの派生が多くを占めます。そこで新商品の企画を初めて見る関係者はチャレンジャーやフォロワーとして新商品を作るんだろうという前提になるでしょう。

 

例えばフルーツジュースバーの系列店であればトレンドのバナナジュースに特化したプレミアムショップを展開するなど、自社のカテゴリーでリーダーやチャレンジャーになろうとするという具合です。

 

一方、ニッチな商品を開発したい場合はこの切り口での説明が有効です。フルーツジュース屋がたい焼き屋のカテゴリーでフルーツたっぷりの餡を使ったたい焼き屋を展開して間接競合の領域でニッチなビジネスを開拓するなどの例が挙げられます。

 

ここまで捻らなくてもいいとは思いますが、切り口を作ることで自社の新商品の目指すべき立ち位置がはっきりします。

 

上記の例ではニッチでも売上を上げる余地があると納得してもらえれば、こうした切り口の分析結果をする事で今までにない新商品にチャレンジ出来る可能性が高まります。

 

競合の戦略

最後に競合がどのような戦略を取っているのか広告媒体や現場から読み取ります。ただ広告媒体をまとめるのではなく、あくまでこれまでに分析した切り口に合わせて分析することが理解の助けになります。

 

ありがちなのが、自分の商品の立ち位置を明確にしないまま、競合の戦略を分析してしまい関係者の意見がまとまらずその後の具体的な商品コンセプトの設計の段階で迷走してしまうことです。


ポイントは商品の基本情報の列挙による客観的な自社の商品の立ち位置の整理と主観による戦略の分析と構築は分けて考えることです。戦略の分析はコンセプトの構築と表裏一体であり、競合分析でも一歩踏み込んだ領域です。

競合の戦略分析(マーケティングミックスや4P等)はコンセプトの詳細を検討する際に実施したほうが全体の流れがスムーズになりますので最初の競合分析では軽く触れる程度にするといいでしょう。

 

まとめ

事実と切り口を明確にすればしっかり伝わる競合分析が簡単に出来ます。先に全体の流れを組み立てて必要に応じてデータの精度を高めましょう。

 

詳細なデータを分析して考察することによってわかることもありますが、商品開発の入口の大前提となる競合分析では事実と比較によって大きな流れを作ることが有効です。

 

シンプルですがかなり強力ですぐに現場で使えますので是非試してみて下さい。

 

  • 入手難度の低いデータを使う
  • 競合を分類して自社の立ち位置を整理
  • 戦略やコンセプトを考えるのは次の段階